商売 四方山話

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NO.1 「明るく・素直に・ねばり強く」が成功の条件 

    NO.2 あなたの家族を味方につけよう

NO.3 賢い消費者になることが安上がりのコツです 

NO.4 業者の見積りの謎

NO.5 ピンハネ屋にご注意

NO.6 レストラン療法


NO.7 気持ちを前向きにする処方箋    



NO.1 「明るく・素直に・ねばり強く」が成功の条件

メーカーや卸、フランチャイズチェーンの本部などに、「どういう人がお店を持って成功しやすいですか?」と
聞くと、たいていが口を揃えて、「明るくて素直で、努力家でねばり強い人」と答えます。
そして、こういう人ならば、たとえ商売がまったく初めてだとしても「必ず成功する」と太鼓判を押すのです。
そういえば、自分で商売を初めて成功している人を見ても、ほとんどがこの用件に当てはまる人たちです。
「なーんだそんな簡単なことか」と思われるかもしれませんが、実際はこの4つの要件を満たすのはとても大変です。
まず、「明るい」ということ。
よく「自分は無口で初対面の人とうまく話せないから暗い」とか反対に「私は誰とでも話せるから明るい」と
思いこんでいる人がいます。
けれども、無口だから暗い」、おしゃべりだから明るいということではありません。
「明るい人にも二通りいて、「人を元気にするタイプと」「人を疲れさせるタイプ」とがいます。
後者のようなタイプは一見明るいようでも、話の内容は」自分のことばかりだったりして、他人に対する配慮
がないということもありがちです。
また、「自分は実に暗い」と思っていても、お客様に対するサービス精神さえ忘れなければ、
少なくとも、いつもお店の中で「暗い顔」をしてばかりはいないはずです。
ですから、「自分以外の人にサービス精神がある」という人が、「明るい人」、というように、思っていただけれ
ばいいのではないかと思います。
次に「素直」であるということですが、これは人の意見を聞く耳、自分以外の人を「肯定」する気持ちを持って
いると言うことではないでしょうか。
特に商売に限ったことではありませんが、周りの人から「もっとこうした方がいい」などと、色々な忠告を受
けることがあると思います。
その時に、「自分はこれでいい」と突っぱねるのか、「そうか、そういう考え方もあるのか」と思うのか。そこ
に大きな差が出てきます。
これは、他人の意見を丸飲みにせよ、言われたアドバイスには全て従いなさい、というのではなく、どんな
意見にも、聞くべきところ、学ぶべきヒントがあるということです。
そして、数多くのアドバイスを自分で吟味して、必要と思われるものだけを、取拾選択すればいいのです。
繁盛店見学に行っても、あまり素直でない人の場合、「ここの店とうちの店では、規模も立地条件も全然違
うから、同じ事は出来ない」などと、「出来ない」言い訳材料ばかりを集めてしまいがちです。
けれども、素直な人の場合は、条件の違いはさておき、「こんな工夫をしている。自分の店でも、何とか取
り入れることは出来ないだろうか」と考えます。
つまり、素直な人とは、見るもの聞くもの全てからヒントを発見して、自分のものにしようとする、まえむきな
ひとなのです。
こうして見ると、この4箇条は、お店だけに限らず、あらゆる職業で成功する要件のような気がします。
けれども、先天的に「明るく素直で、努力家でねばり強い」というひとは、ほんの一握り。大多数の人は、
そうでないことの方が多いのではないでしょうか。
ですから、自分はダメだ、と落ち込むことはありません。
これから、「明るく素直で、努力家でねばり強い自分」をつくる。それでも決して遅くはないのです。




NO.2 あなたの家族を味方につけよう

あなたの近しい人々、配偶者はもちろん子ども達や両親、友人等は、あなたがお店をやることに対して、
どのように考えているでしょうか?
惜しみない協力をしてくれるでしょうか?
それとも反対しているのでしょうか?
特に一緒に住んでいる家族の場合、あなたがお店を始めることで様々な影響を受けます。
例えば、会社をやめてしまって安定収入がなくなるとか、家事がおろそかになるとか、他の人が休んでいる時に
働かねばならないから、子ども達と遊んでやれないとか。
家族が、あなたがお店をやることを反対している場合、これらはあなた自身の大きなプレッシャーに
なるはずです。
けれども、お店を成功させたいと思ったら、家族にまったく迷惑をかけずにいられるなどということは、
まず考えられません。
また、どんなお店をやるにせよ、最初から大当たりで、それが永久に続くということも、なかなかないものです。
傍目からは順調に見える場合でも、経営者にしてみれば「ああ、もう駄目だ」と首をくくりたくなることが、
3年に一度くらいはあると言います。
そんな時、他ならぬ家族から、「だからやめればよかったんだ」などという心ない言葉ではなく、
「自分の選んだ道じゃない。もう少し一緒に頑張ってみようよ」と言ってもらえるのは、
どんなに心強く嬉しいことか。
また、成功したら成功したで、それを掛け値なしに喜んでくれるのも、やはり家族や親しい友人達です。
それだけに、お店を始めようという時は、まずは家族や親しい周りの人と、とことん話し合う。
そして、みんなの理解と協力を得て、何の憂いもなくスタートしましょう。

ぱる出版 「お客が集まる店づくり」より




NO.3 賢い消費者になることが安上がりのコツです

●正直な業者と儲け本位の業者の見積りの違い今、一般住宅の坪単価は五十万円が相場です。新築はなんの障害物もない土地に建てるため、また建築面積も多くなるから業者は歓迎ですが、増改築になると障害物が多く、建築費よりも解体や古い建物の補修、荷物の移動などに費用がかかります。
正直なところ、業者は増改築の見積りを不安な気持ちで出していると思います。解体してから何が出てくるかわからないから、といって予測の見積りを出しているのです。こんな賭事のような予測見積りに、私は反対しているわけです。
増改築でも、新築の部分の坪単価を正確に出し、解体費と処分費も出して、見えないもの(古材の腐食度、梁の状態、配管の有無)は解体後に両者納得のいく説明で別途とすべきです。
それが一式計算になっていると、解体してから土台や柱の腐れがひどく白アリの巣になっていた場合、あのお客様は説明しても追加金は出してくれないだろうと、知らぬタヌキを決められてはなんのための改修か意味がありません。
実際に悪くて直さなければならないものはきちんと直す─これが改修です。それだけに増改築は信頼できる業者に依頼すべきです。お客様と業者に信頼関係があれば良い仕事ができるのです。それが業者は仕事だけ、お客様は値切るだけというのでは、良い結果が出るわけありません。従って、お客様は建築価格の相場をつかんでいて、あとは信頼できる業者に任せるべきなのです。




NO.4 業者の見積りの謎

●三者三様・塗装工事の見積り一般戸建住宅の平均的な家(約三十坪)の外装工事で三社から出た見積金額は、A社は百五十万円、B社は七十万円、C社は三十八万円でした。
築十八年の大橋さん宅を飛び込み訪問で訪れたA社が出した見積りは、自社の定価表と実面積の五割アツプで百五十万円となっていました。C社の三十八万円は足場なし、材料名なし、木部の数量なしで手抜きしか考えられない常識はずれの見積りでした。B社の七十万円は適正価格でした。実面積も正確で、下塗剤を多めにしたのは築十八年の壁の補強を考えてのこと。大橋さんはB社と契約しました。
三社の営業マンと会社の内容は、A社は広いエリアで訪販をしている会社で、営業マンは自信満々の熱演で、塗料の材料が違うと説明していました。C社は新規のリフォーム会社で営業マンもまだ慣れてない様子で、ただただ安くします、サービスしますの連発でした。B社は地元に長い歴史を持つ会社で、安心感から大橋さんは決めました。
しかし、三社がどうしてこんなに違うのでしょうか。これが住宅リフォームの非常に難しいところなのです。考えようによっては、A社の見積りでu数が多いのは古い家なので一般住宅より材料を使うからだと説明されると、一理あるようにも思えるし、C社の場合も安くするための方法として考えられることでもあります。それぞれが理由をもって説明すると、困るのは消費者です。定価のある同じメーカーの商品なら、どちらが得かはすぐ判るのですが、材料も違う、目に見えない建物の判断も職人によって違う、会社の方針もそれぞれ違うとなると、住宅リフォームは一般消費者には非常に難しい問題です。営業マンや見積りだけで決めることのできない問題なのです。
大橋さんの場合、地元に古くからある業者がいたのでよかったのですが、もしA社にした場合は古い家に無駄なお金を掛け過ぎてしまったと思えるし、そこまでやるなら土台の腐食と強度(耐震検査)を確認したいところです。
また、C社の場合は多分良い仕事にはならなかったと思います。足場がなくて、ハシゴや脚立でやると足元が不安定なので、どうしても良い仕事にならないのです。多分材料も手抜きとなって仕上がりは悪く、トラブルとなったことでしょう。
三者三様の見積りは住宅リフォームには付きものですが、この場合の三社は見積金額に大きな差があり過ぎました。こういう場合は中間の見積りをとるのが正解です。
ところが、ほとんど差のない見積りの場合はどうでしょうか。その場合は値段だけでなく、業者の経験歴、誠実度、アフターメンテナンスなどを考慮して、職人の技術と知識を買って下さい。



NO.5 ピンハネ屋にご注意

●ピンハネ屋とコーディネーターの違い ピンハネとは単なる利益稼ぎ屋のことです。ただ人を紹介するだけで利益を取る人のことです。しかし、コーディネーターは消費者と職人(業者)の間に入って、消費者の希望を見事に実現してくれる能力のある人(資格)です。例えば一級建築士、建築関連のコーディネーター、マンションリフォームマネージャー、福祉介護士などは、消費者の生活環境にあったリフォームの提案をします。もちろん、予算に合わせて最良の住宅リフォームを実現させます。
日本と欧米諸国の住宅リフォームの違いは、木造住宅の減価基準(欧米は約四十年、日本は約二十年)の差と、リフォームによって資産価格を上げる欧米諸国の基本的な考えの差にあります。
欧米諸国は中古住宅の流通が主役で、百年以上保つリフォームをしています。日本のように築二十年くらいで壊すのは資源のない日本にとって最大の無駄であり、焼却によって生じる環境公害も大きな問題です。
欧米諸国の住宅は、ご主人の転勤によって、または子どもの学校によって、家族丸ごと移るので中古住宅の流通が盛んなのです。日本は小さい住宅に固執しながら、単身赴任のお父さんと家族は別々に暮らしています。
でも、二十一世紀の日本の住宅は変わります。新築よりもリフォームが大きく伸びます。百年住宅が多くなります。中古住宅の流通が盛んになり、一個の住宅にリフォーム経歴書が誕生します。手入れの良い家は高く売れます。使いやすい家にリフォームした家も同様です。ここにコーディネーターの経験と知識によって、同じ予算をかけた差が出てきます。
日本人の悪い習慣に、設計図面やプランニングにお金をかけたくないというのがあります。これは間違いなのです。優秀な設計士の作った家は安全であり、いつまでたっても飽きがきません。インテリアコーディネーターの色彩も部屋ごとに落ち着きと楽しさを出してくれます。マンションリフォームマネージャーは制限のある建物を有効に活用してくれます。これらの専門家がコーディネーターとして消費者と業者の間に入ると理想のリフォームが実現します。適正価格で安全な家を実現できます。
二十一世紀に必要とされるのは総合的なコーディネーターです。図面も判り、数多くのリフォーム経験のある人。こういう人に依頼すると、結果的には安くて良いものができます。トラブルも起こりません。
今までリフォームは簡単なものと思って、職人に直接頼めば安くできると思っていた消費者の方も反省してください。住宅リフォームは難しいのです。中古住宅として価値を付けるには、プロの生活環境提案が重要になってきます。同じお金をかけるなら、リフォームをしたという価値観を生んで快適生活に入るべきです。

エール出版社 「リフォーム業者にだまされるな」より




NO.6 レストラン療法

「忘れるってことは、本当にいいことだよ」
                                                     『浪花の恋の寅次郎より』
坂があって、たくさんの路地があって、おいしいパン屋と楽しいお茶の時間を過ごせるティールームがあって、ついのぞいてみたくなる雑貨屋さんがあって、居心地の良い小さなレストランがある、そんな小さな町に住みたいと思う時がある。
昔、阪急沿線の小さな街に住んでいた。駅を降りると、道が放射線状に分かれていて、坂道がある街だった。人には、パリみたいな地形でしょ、といつも自慢していた。
街には、靴はあの店、洋服はあの店、本はあの店、お茶を飲むのはあの店、カットはあの店と馴染みの店がたくさんあった。それは私だけでなく姉にとっても同じように馴染みの店であり、よく駅で待ち合わせて坂道を上りながら買い物を楽しんだものだ。焼きたてのパンが買える幸せや、この雑誌売れ残っちゃったから持って帰えらへん、そう言って行きつけの本屋で雑誌をもらったりする日常はなかなか居心地が良かった。それに、どの店も頃合いの大きさで、この街で暮らしているということの手触りが実感としてあった。
心地よく暮らして、素敵なものに出会って、おいしいものを食べる。幸せだなと思う。この一瞬一瞬のときめきの貯金に大きな利子がついて、やがて夢の実現、なんて素晴らしい満期を迎えることができたらいいな。そんなことを思いながら、私鉄沿線の小さな街で暮らしていた。




NO.7 気持ちを前向きにする処方箋


気の置けない店でおいしいものを存分に楽しく食べる。ほっとしに家に帰るように、気持ちをほぐすために旧友に会うように、くつろいだ気分で食事をする。そういう時は、心の天気模様がどうであれ、本当に幸せだと感じる。
『イタリアを食べる』という本を読んでいたら、痛みに襲われた時の「痛み飛ばし」の処方が紹介されていた。それは「あなた、ちゃんとご飯食べたの?」という一言だ。この一言で「そういえば私、何か食べたかしら」と思う。そして、このことをキッカケにして、そんなに騒ぐほどのことではないと気づくというのだ。
なるほど、そうだなと思う。つらいことがあった時や体調が良くない時、自分がその当事者なら、「そういえばご飯を食べたかしら」と気持ちを切り替えることで、そのマイナスから心を外すことができるだろうし、そういう相手に対した時は、「あなた、ちゃんとご飯を食べたの?」と声をかけることで、感情や体調の矛先を違うものに向けるキッカケをプレゼントすることができるのではないだろうか。心の天気模様というのは、楽しく食事をする、こんなちょっとしたことで雨後曇り、曇り後晴れ、と移り変わって行くものなのかもしれないと思ったことだった。
そんな処方のひとつとしてご紹介したいのが『ハピネス』である。ちょっと人には教えたくない、自分だけのお店にしておきたい、そんなアットホームな雰囲気のある小さなレストランだ。
店内はテーブル席が二つとカウンター席が五つというこぢんまりとしたつくり。
「もう少し広いといいのですが」とオーナーの山下さんはおっしゃるが、いえいえどうして、利用する側にとっては嬉しい頃合いの広さだ。
山下さんはこの道二十年余り。この店をオープンするまでは大阪のホテルで洋食部門に携わっていらしたという。
店をオープンするにあたってのモットーは、「気軽に寄っていただいて、おいしいものを安く、楽しく召し上がっていただけるアットホームな店を」ということ。その言葉通り、おいしく、安く、清潔感があり、気軽に立ち寄れる雰囲気がある。静かで、心づかいが細やかで、かといって押し付けはなく、山下さんのあたたかい人柄そのままの居心地の良さもある。
料理には、一流ホテルで使う素材と同じものを使うが、価格は押さえてある。一度、どうしてこんな値段で提供できるのですか、と聞いてみたことがある。山下さんはしばらく考えて、「我慢することです」とおっしゃった。多分、儲けを我慢するということだろう。こんな良心的な店を知っている、そのことが私を幸せな気分にする。
ステーキやハンバーグやコースメニューだけでなく、一品料理もおいしく、丁寧に作られている。ガーリックライスや豆腐ステーキ、豆腐サラダなどは、自分の家でも早速真似したいと思わせるあたたかい味わいだ。ステーキ用に用意されたポン酢とガーリック醤油の二種類のタレも、二週間ねかせた手作りのもので、ステーキの味を引き立ててくれる。ランチタイムには、スープ、ライス、サラダ付きのランチセットや、ご飯、お味噌汁、漬物、フルーツがついた定食もいろいろ揃っている。
さらに嬉しいことに、予約さえすれば、伊勢海老でもお造りでも、どんな注文にも可能な限り応えてくれ、一品一品には、山下さんの料理に対する真面目な姿勢と、優しい気持ちが添えられる。
ビル街を歩いてクタクタになった後など、何だか人恋しい気分で、優しいぬくもりのある街に戻りたいと、胸がキュンとなることがある。夕焼けを見て、泣きたいような気分になったり、ライトアップされた街の美しさに見とれている時、小さな焦りを自分の心に発見してハッとして帰り道を急ぐ時、小さな街に戻ると、心がほっとなごむ。気のおけない仲間を呼び出して『ハピネス』のドアを開けたくなるのはこんな時だ。
ほっとして、おいしいものを食べて、他愛ないお喋りで過ごす。こんな時間はきっと誰にでも必要だ。もし、レストラン療法という言葉があるなら、私の場合、その筆頭に『ハピネス』を挙げたい。
                     『イタリアを食べる』(ステファニア・ジャンノッティ著・内田洋子訳・PHP研究所刊)

大和出版 「夢を叶えるための場所」より


   【プチ・ステーキハウス ハピネス】                

     ●営業時間    昼  11:30〜14:00
                 夜  17:30〜22:00
    ●定休日     月曜日
    ●住所       尼崎市武庫之荘1丁目19−12
    ●TEL        06−6435−1338
    ●交通       阪急神戸線 武庫之荘駅
                 下車徒歩約4分


NO.8をお楽しみに